リモデルの仕事を
深めていく中で、
自分自身の価値観も
変わってきたように思います。
受け継がれた宝石は、
価値のあるもの。
それをうまく生かして
使えるようにするために、
〈直す〉ために
お金を使うけれど、
〈買う〉ために
お金を使いません。
宝石に限らず、
親が結婚する時に
持たせてくれた着物。
そしてもう着ないからと
人から譲ってもらう着物も
〈直す〉。
これから豊かな時間を過ごすため
着たいと思う着物が
着る機会の数を考えれば
十分に揃いました。
普段着は
綿や絹で友だちが
作ってくれるようになりました。
素材が天然のモノを
着るようになって、
その心地良さを
知りました。
買う必要が
無くなりました。
リモデル・リペアで心が
満たされるようになると
家の中に入れるものも
意識をするようになりました。
自分の趣味の
古き佳きものを
集めるようになって
ドアからそうした新たなモノを
一つ入れる時には、
入れ替えて出すモノを
一つ決めることを
心がけるようになりました。
買うものはじっくりと
手にとって見て
吟味して
買うようになりました。
考えて買いに出掛けて
手にとってまた考えて・・・。
そのスローな時間を
楽しめるようになりました。
子どもたちが巣だって
夫婦二人暮らしをするようになって
気づいたのは、
自分たちのモノは
ほとんど無かったということ。
それがさっぱりしていて
逆に心地いい。
自分を育ててくれた
お祖母ちゃんが言っていた言葉を
最近
よく思い出します。
お金は大事だよ。
ものは大事だよ。
豊かでは無い時代を生きた
お祖母ちゃん。
でっち奉公先でもらった
一つのお饅頭を
食べたいのを我慢して
大切に包んで
家に持ち帰った話を
してくれていました。
お祖母ちゃんは
モノやお金がなくても
豊かな心を持った人で
今の自分は
モノを大事にしているかな
お金を大事にしているかな
子どもの頃に
植え付けてくれた
その豊かさの感覚が
今のリモデルの仕事に
つながったのかもしれません。