年末。
一年に一度一泊の家族旅行。
宿を探すのがギリギリになって
予約出来る宿は限られていました。
近くて6人で泊まれる条件で探すと
山奥の古い小さな温泉宿があって
そこに行く事にしました。
山の中の細い道。
着いてみたら周りに商店一つない
静かな温泉地でした。
レジャーは
ひたすらの散歩。
久しぶりに四人の息子と
一緒に歩けるだけで
しみじみとした幸せを感じました。
帰り道のこと。
サイクリングロードになっている
〈山道を通ろう〉
ということになりました。
ぐんぐん行くと
ほとんど対向車が無い程の山奥へ。
突然
運転していた息子が
大変!止まるよ!と言って
急ブレーキをすると
ドアを開けっぱなしで 後ろに
駆けていきます。
振り向くと
白い煙を出した車が
ひっくり返っていました。
他の息子たちも飛び出して
助けに行きます。
幸いにも
運転していたお爺さんは
かすり傷だけ。
息子たちは介抱したり
車に潜って書類を出したり
警察に連絡したり。
私たちは車が来た時の為に
追突しないように見張ったり。
山奥で
横転した車の横で
私たちしかいない道端で
しばらくの時間
怪我をしたお爺さんと
いっしょの時間を過ごしました。
後で考えると
その道を走ろうと思った事が
不思議に思えました。
お爺さんが一人だったら
どうなっていたのか・・とか。
お爺さんを助けるために
この道を通る事になっていたのでは・・とか。
この ひなびた温泉に?!と思いました。
たまたま予約をした
人里離れた この温泉宿は、
偶然にも
忌野清志郎さんが愛した宿でした。
ガンを患ってからは
ここで湯治をしていたのだと 知りました。
ファンだったことを伝えると
その部屋を案内してもらえました。
階段を川縁まで下り
ゴーゴーと流れる渓流をすぐそこに見る
まるで隠れ部屋でした。
高校時代、
友だちの影響で大好きだった
【あの忌野清志郎さんが ここにいた!】
不思議な気持ちになりました。
この天井を見ながら
病気を治そうと思っていたんだ。
すごく身近な人に思えました。
そして あれから。車の中では
高校生の時に聴き込んだ
RCサクセションのhard folkを
聴くようになりました。
今の気持ちにぴったりの歌詞で
驚きます。
だからこれも
何か意味があって
こうなっているのかな。
お店の事でもプライベートでも、
思い付きのことであっても
偶然のことでも
【この結果を得るために
何かの意味があってこの行動を起こしたんだ】
そんな風に思えることばかりが
起きている気がします。
だから 、あがくのをやめて
〈ある程度は〉
流れに身を任せて進んでも
間違いないのかなと。
気持ちを楽にして この一年行こう、と
思うことができた
年末年始の出来事でした。
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