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母の愛

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昔々、子供の頃のピアノ教室で

おばさんおばさんと呼んでいた

Hさん。

優しいまなざしをされた方。

Hさん

いつも首にかけている金のロングの

かぶりのネックレスがあります。

早くに亡くなったご主人の戒名を刻んだ

金のプレート、

それと

小さい時に亡くされた娘さんの写真が入った

金のロケットペンダントが下がっています。

かぶりにする前、

普通の付け外し出来るネックレスに通して

使っていたある時、

近くの神社にお参りに行った帰り道に

首のあるはずのネックレスが

無くなっていたそうです。

慌てて探しに戻ると

ペンダントがお賽銭箱の上に置かれていて

事無きを得た、と

話して下さいました。

Hさん、その日の朝は

金具がうまく留まらなかったような気がしたそうです。

落とした時に本当に

「しまった・・・」と思ったから、

二度とそんな事がない様に

留め具無しのロングのかぶりにすると

決めたそうです。

デザインも

付けっぱなしにできる

使いやすいネックレスが良いと

今の物にたどり着きました。

長さも

軽さも

太さも

全て使い心地が良い様に

こだわったネックレスです。

今日おみえになったのは、

二人の娘さんたちの為に

自分のリングをペンダントに替えておきたいと

改作の依頼でした。

ペンダントのデザインはすんなり決まったものの

通すネックレスを決めるのに

もう3度ほど足を運んで下さっています。

今日ようやく決まったネックレスは

同じデザインの

細身のプラチナネックレス。

ほかのデザインも色々迷われましたが、

「自分がいつも付けていて気持ち良いから、

同じデザインにするわ」と

決められました。

ホローハーフランドという

太さはあって、でも

中空で軽いデザイン。

メーカーに作ってもらいます。

ネックレス一本、

母親が娘を思って

いろんな思い出話をしながら

決めていく過程は、

尊い時間を共にする感覚です。

希望に沿った

ペンダントネックレスになるように

一生懸命

やらせて頂きます。