神戸に着くと毎回
『春咲小紅』の歌詞が
グルグルと頭の中を回り出します。
高校時代に神戸であった
ポートアイランド博覧会
〈ポートピア〉の
イメージソング。
思い出す訳でもなく
無意識に歌が出てくるって
頭の不思議。
春の
宝飾国際展示会。
神戸まで
スタッフ揃って
行きました。
それぞれ目的を持って
出掛けます。
いつもお世話になる
卸さんたちにご挨拶したい
そして、
商品と値段の関係。
日本堂のお客様へ
宝石を販売する時に
現在の業界の説明を
する必要も出てくるので
何がどうなっているか
感じておかないといけない。
今回気づいたことは
あこや真珠の値段が
ようやく落ち着いてきたこと
そして
今度は
黒蝶真珠がない。
数も無いしあっても
値段が
かなり高くなってる・・・。
「美しい」と
目に留まるものは
お客様に渡る時には
一千万円を越してしまいそうな
値段になるものも。
雑誌で
〈数千万円〉という定価を
平気で見かける
時代になったのを
本当に目にしてしまったような
光景でした。
業者さんと会話をすると
何故、今
品薄かを
説明してくれました。
南洋真珠を養殖する
タヒチ沖では
母貝となる小さな貝を
育てていた中国人の会社が
仕事を辞めてしまい、
そんな訳で小さな粒の
黒蝶真珠が減ったのと、
コロナ禍を経て
貝に真珠の核を挿核する
安い労働者が減ったこと
そんな理由で
全体の量が減ったことで
少ない数を取り合いになって
値段が上がってしまっているらしい。
今回、黒蝶真珠を中心に
見て回って、
それがよく理解できました。
🍀
会いたかった先生。
いつも業界で新しいことを引っ張る
尊敬する先生にも会えました。
🍀
宝石は新品と中古品と
展示される場所が分かれています。
今回初めて
ウインドウショッピング
してみようと
中古品をじっくりと
見て回ってみました。
昭和の頃の元気だった
日本の時代の宝石がずらり。
きっと先代、先先代の頃の
日本堂もこうだっただろう品揃えで、
【懐かしく元気をもらえた】
そんな気持ちになったのが
不思議・・・。
昔は〈中古品=気持ち悪い〉
だった感覚。
それが、今の世の中の若者のように
自分も変化しているのを感じました。
もしかしたら
リモデルで持ち込まれる
宝石たちと
たくさん向き合っているから
その同年代の宝石たちを
愛情を持って見つめられたのかも。
この安くて良い宝石を
こうしてリモデルして新しくしたら
きっと素敵だろうな!!
まるで職業病のように
頭が働いてしまいました。
🍀
今年一月
体調不良を起こして
東京での国際展示会を
欠席したので久々だからこそ
風景が
大きく変わったのを
強く感じました。
日本人がいない?!と
感じるくらいに(全体の2割以下?!)
中国人だらけに
なってしまったこと。
だから
自分たちと同じく
良いもの、新しいものを
発見したいと思っていく人よりも、
値段交渉しながらとにかく
買い付ける人
(インフルエンサーと言うより
普通の女性)が、
ケータイを使って本国と
リアルタイムで通販をする姿、
またその人たちがそれを
やり易いように
専用のブースが作られ
ケータイを固定して大声で
やり取りする姿を見て、
ここは日本?
これで大丈夫なのか?
〈業界〉の域を越えて
〈日本〉はこれで大丈夫なのかな・・・
と
不安に思いました。
良い宝石が日本から
海外に流れていく現実は
お米問題と同じような
気持ちになって帰ってきました。