今朝、
『木造船が漂着した島の小屋から
〈ドアノブ・蝶番・ありとあらゆる金属類〉
何もかもが無くなっていた』
というニュースが流れた時に
昔の事を思い出しました。
【1989年】
マレイシアに工場を作る、
という仕事に関わっていました。
工場が立ち上がりの時は
〈出来上がる→盗まれる〉
これの繰り返し。
水道の蛇口ひとつ、
使おうと思った時に
ひねる部分が抜かれて無くなっている。
お手洗いのレバーも
気が付けば無い。
ドアノブが無くなる。
イスラム教の国なので
身体を清めるために設置した
工場の中のシャワーヘッドは
いつも盗られてホースの状態。
自分の家で使うために
持って帰ってしまう・・・
きりがなく思えました。
生活の水準は国によって違っていて
全体が上がらなければ
これはずっと続くことなんだと
思えていました。
表面的なことでさえ そうなので、
机上の計画はいつも遅れ遅れ遅れ。
地道な現場の一日一日。
日本だったらすぐに出来ることが
出来なくて、泣いたり怒ったり焦ったり
悔しいなーとよく思いました。
そんな風でも、
国の上の人たちが
この国を良くしよう!という
強い思いがあるのを
色々なところで感じました。
通う道は
〈ガダガタ道〉があると思えば
花々に彩られた
〈見事なロータリー〉もあって
そこには必ず
〈巨大〉で〈華やかな〉
【2020】の看板が立っているのです。
チグハグな感じでした。
『2020年にはマレイシアは
先進国入りを目指しているんだよ』
説明をしてくれたけれど
「こんなんで、どうやって!?絶対に無理!!」と
思っていました。
あれから30年が経ち
マレーシアは良い国になりました。
良い国にしたい!という
トップの思いがあっての
30年の変化はすごいと思います。
木造船から30年後、
国はどんな変化をしていくのだろう・・・と
考えた今朝のニュースでした。
日本堂インスタグラム