夏の最後の日

夏の最後の日。

同級生が
数珠の相談に来てくれました。

名古屋には数珠のしきたりが
多くあり、

そのしきたりは
2つに区別されると

自分なりに
理解するようになりました。

一つは
昔からのいわれ。

もう一つは
作られた流行。

脈々と続くお家柄の方々に
お会いできる度に

数珠について問うてきて、
ようやく理解したことです。

そんな話を
彼女に話します。

今回の相談は
サンゴのお数珠について。

「今度、高知に行く時についでに
サンゴも見てくる!」

お嬢さんとの親子旅行の目的を
ひとつ増やすと言います。

楽しい旅になるといいなと
思いました。

夏の最後の日。

夏の浴衣が着れる
最後の日。

お稽古で浴衣を着ようと
みんなが浴衣姿。

私は見ている方でしたが
目から、涼やかな気持ちになります。

お点前も夏。

水が注がれた水差の蓋。
濡れた茶巾を搾る。

冷たい水を触って
手から涼しいお点前。

夏の冷たいお菓子を頂いて、
季節の話をしながら一服で憩うひととき。

何でもない時間が
豊かな時間。

ゆったりとしたこの時間を
幸せに感じるのは

忙しく過ごせている
仕事があるから。

ありがたいことです。

8月最後の日。

楽しかった夏が終わってしまうんだな
・・・と毎年

気持ちせつなくなる日でも
あったけれど、

秋の虫も鳴き出して
もうすぐ、せともの祭。

夏から秋へと気持ちを向けて
新たに進もうと思います。

日本堂の前の道には
せともの祭の看板がたくさん並んで

これから徐々に町全体が
盛り上がっていきます。