言うべき事を言う辛さ

「私、恐かった?」と聞くと
「うん、立ち姿から恐かった。」

そう
スタッフが言いました。

伝えるべき事が言えず
会いにくくなった人と

対峙することになった
夕方。

原因は、馴れ合いによる
仕事への甘さ。

話をきちんとするために
〈私はあなたに怒っている〉

頭の中は冷静でしたが
そんな姿を意識して会いました。

夕方のことです。

このことがあってから、
昔、先代の頃。

作業等の奥の日本堂を
一本で

担っている方の事を
思い出していました。

時々は遠方からお招きして
イベントを催したりして。

その方の言うことが
全てだったから、

それを鵜呑みにお客様に
その言葉をお伝えしていました。

時折。

「何故コレがこうなるんですか?」
、と疑問をぶつけると

「私を疑っているんですか!!」
、と強い口調で叱られていました。

代替わりをしたのをきっかけに
スタッフと外に

宝石の勉強のために
出掛けるようにしました。

知識を得て、やはり
当たっていた勘。

長年の付き合いから
甘さが出ていたその方とは

お付き合いが
終わりました。

そのきっかけとなった
素直に「おかしい」と

訴えて怒って下さった
お客様。

その方を傷つけてしまったことを
反省に、

今でも
〈負の遺産〉として

その方が売られた地金を
引き出しに残しています。

今回、自分自身が
ようやく感覚で理解できた
その怒り。

たまたま
日本堂のお客様でなく

私が経験をしました。
だからよかった。

そんなこと位、と言えるのは
その人自身の元々の性格かも。

でも仕事としては
許されないこと。

「言うべき時に言うべき事を言わずして、後からうっぷんで陰口を言うようなことはしたくない。だから今、腹を割って話をしたい。お互いが理解できれば関係は続けていけると思う。だからこうして向かい合って言いたくないことを言っている。このことがもしも私の誤解と分かれば謝まるし、誤解でなければ、謝ってくれれば許すことができる。」

そう言って
向き合いました。

女主人だから
しっかりしなきゃ。

でも
辛い夕方でした。