おりん の音

日本堂には
お仏壇があります。

曹洞宗。

おとうさんが毎日
般若心経をあげています。

嫁いだ自分。

里が同じ曹洞宗。

小さな頃からお祖母ちゃんがあげる
般若心経を聞いて育ちました。

今、この歳になって時々
朝のおつとめをするようになりました。

子どもがじゅげむの呪文を
楽しく覚えるが如く、

いっしんちょうらい、まんとくえんまん
・・・と頭を動かしています。

棚行や月命日とかで
おっさまがあげるお経の流れの中で、

なんとなくうっすら覚えた
音の流れ。

ここでチーンと〈おりん〉を
鳴らしたっけ?!、と考えながら、
手を動かしています。

おりん の音はそれぞれです。

これは18金の おりんです。

チーンと鳴らすと、澄んだ音で
ずーっと余韻が残ります。

それぞれのおうちの
おりんの音は、

子どもの心にもずっと、
我が家の音として耳に残ります。

おりん はずっと
受け継がれるモノですが、

高価な金の おりんには、
贈与税がかかりません。

日本堂で購入することが
出来ます。これも知恵袋です。

お仏壇の前で手を合わせて思うのは
今日一日、
普通でありますようにということ。

「どうぞ今日も
普通でありますように。」