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大事な子

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小学校で
息子の担任をして下さった先生が
よく
メガネを壊してやってきます。
いつもは ひどい歪み方で
笑い話になる位。
修理の時間中、お姉さん先生は
面白い話をたくさんしてくれます。
今日も
ここら辺の美味しいランチの場所を
教えてくれて
行ったらいいよ、
と勧めてくれました。
話し終わって
美味しそうな画面をパタンと閉じた時に
「3日前に、犬が死んだの。」
いきなりの言葉に
びっくりしました。
そこから、
一年前に病気になって
亡くなるまでの話を淡々と喋るのです。
「しろちゃんは?」
小さかった息子が学校で
飼い猫の話をよくしていたみたいで、
ユキの事を
シロちゃんと
覚えていてくれたのでした。
「あんちゃん、ただいまーって。」
「ずーっと待たせてばかりいた
    10年だったから・・・。」
淡々と思い出したことを口にして、
同じ気持ちを経験した人に話せて
少し楽になったと言いました。
いつもひどく壊れてからしか
修理に来ない先生が、
メガネの掛け具合だけで
お店に来た理由が 伝わりました。

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