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良さ

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実家の父が骨董好きで、
たくさんの がらくたに見える陶器が
家にゴロゴロしていました。
仮住まいをして家を建て直す際に
荷物を預けていた
おばあちゃん家の長屋。
お隣が火事を出して
荷物がほとんどが燃えてしまいました。

今朝、おかあさんからもらった
おかずの器を返そうとして
手にしばらく持っていた時に
その陶器が持つ雰囲気から
懐かしい気持ちが甦ってきて、 
骨董を眺めながら
目を細めている父の姿を
思い出しました。

聞くと、【石泉窯】という
もう無くなってしまった
窯屋さんの陶器だそうです。
皇室にも献上していた窯元だったとか。

お母さんが

そんなに好きならどうぞ、と
言ってくれました。

ちょうどお店に届いた
手紙がありました。
【器の漆継】をしている方からです。
『産地も時代もさまざまな焼きものを
お値打ちにお譲りいたします』
気持ちにタイムリーな言葉に
ぐっと惹かれました。

陶器も宝石も
気持ちを込めて懸命に作ったものは
時代を越えて
その良さを醸し出します。
身を持ってそれを感じた
一つの器でした。

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