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身なりとのギャップ

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少しチグハグした普段着で
「メガネを直して」と
立ち寄った風のご婦人がいました。
うちのメガネではなくて
ネジがユルユルでガタガタでした。
立て込んでいて
なかなかお相手が出来ずにいると
他のお客様のお席に座ってしまって
雑誌を読み始めました。
席を替わって頂くよう促したあと
修理に時間が掛かったので
しばらくお喋りをするうち
ご自身の苦労話になりました。
無造作にしばった髪。
飾り気のない洋服。
とてもリアルに
その話に引き込まれました。
指輪をクリーニングさせて
頂く事にしました。
驚いたのは
あまり見ない程の太い
プラチナの指環だったことでした。
「このパール、見せて」と
目の前のケースにあった 
あめ玉の様に大きい パールリングを
指差しされました。
そしてサラリと
「今度これをもらいにくるわ」、と
言われました。驚きました。
もう一人 同じように
身なりとのギャップがあった
男性のお客様がいました。
ジャンパー姿と運動靴で
宝石を見せて〜 と来てくれた
小さなおじいちゃん。
色々〈お世話する感じ〉の
接客になりました。
「また来るでね〜」と喜んで、
軽自動車に乗って帰られました。
ある日、お店の前に停まった
大きなベンツから降り立ったのが
その小さなおじいちゃん。
びっくりしました。
今度は
男性ジュエリーの立派なものが
欲しくなったそうです。

【身なりで人を判断してはいけない】
そう思っていますが、多少なりとも
そう思っていないから〈驚く自分なのだ〉
そう気がつかせてもらった
二人のお客様でした。

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