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再会

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昔々
旅行好きな父に連れられて
瀬戸の仲間大勢と
家族ぐるみで出掛ける事が多くありました。
小さい頃の
良い思い出になっています。
なので近くには
「おじさん」
「おばさん」、と
親しく呼べる親世代の人たちが
たくさんいます。
一週間前に「おばさん」が
母と一緒に
掛け時計を買いに来てくれました。
昔から使っていた時計が壊れちゃって、と。
あれこれ悩んだ末に、
正時には美しい音楽が鳴る
振り子の時計を選びました。
おじさんは最近具合が悪く
息子は仕事で忙しいそうで、
「今度、庭師さんが来るときに
時計を掛けてもらおうかしら・・・」
と話しているので
そんなことなら
今から一緒に行きますよ、と時計を持って
お宅までついて帰りました。
壁に掛かっていた壊れた時計は
【柱時計】ではなくて
【ホールクロック】という分銅で動かす時計でした。
とても重厚なその時計を
脚立にのって ようよう下ろし
新しい時計を掛けるつもりが
金具が太すぎて、
抜いて打ち直さないといけませんでした。
そんな最中に
ただいま、と息子さんが帰宅。
脚立に乗って横着な格好で奮闘していたので
驚いたようでした。
そして一緒に作業をして、新しい時計を掛けました。
子供の頃から 数十年ぶりの再会で
懐かしい気持ちになりました。

それから ほんの数日後
おじさんが亡くなったと連絡がありました。
昨夜はお通夜でした。
そういう事があってすぐだったので
迷わず斎場に行きました。
数十年ぶりの再会の出来事は
余りに濃いものになってしまって
これからもずっと心に残っていくと思います。

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