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悲しい宝石物語

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ありがたいことに、毎日いろんなお客さまと


いろんなお話をさせてもらえます。



お持ちいただく宝石を見るだけで、


「ああ、悲しいことがいっぱいあっただろうな」と


わかることもあります。




30代のおよめさんが持ってきた真珠のネックレス。


糸替えで持ってきたそのネックレスはジメジメしたビニールの袋にありました。

開けると、普通ではない臭いが・・・・。

しかも真珠の層がはがれていて光沢を失っています。

「里帰りをしている間に、こんな風になっていたんです。」、

と、涙目のおよめさん。

話を聞くと、ご主人様がおかあさん溺愛の一人っ子で、


結婚当初からやきもちでいろんなことをされてきたんだとか。



信じられない話が続き、どこまでが本当なんだろう、

と思って聞くほどの話でした。

ところが実際糸替えのために糸を抜いてみると


鼻をつく、きついアンモニア臭が・・・。





・・・真珠に尿がかけられていたのです。





お嫁仕度で持ってきた大事なものにこんなことをされて、


目が真っ赤だったことにもうなずけました。




とにかくアンモニアをきれいに洗い流し、


巻きもテリも無くなった珠一個一個を真珠クロスで根気よく拭きあげ


少しでも光沢を出し、新しいワイヤーに通して、こざっぱりとさせ、

キレイなケースに納めました。

全く元の通りには戻りませんでしたが、とても喜んで下さいました。

何度もお礼を言われ帰っていかれるその方に、



「がんばって!」と心の中で叫びました。







その後しばらくして、その方が新しい真珠のネックレスを買いにきてくださいました。


その時は表情も明るく、乗り越えた感があり、


とても嬉しい気持ちになりました。




よかった・・・