NO IMAGE

不便益

NO IMAGE
一月が決算月。
〈一年間の日本堂の通信簿〉となる
決算書を作ります。
この一年の収支を出すために
先月からひとつひとつ
品物をチェックしていきました。
そして、今は
それを一品一品
手書きで帳面に書き写しています。
それこそ何年も前
「この時代なんだから
パソコンを使ってやればいいのに」
そう思っていました。
商品管理も展示会に行くと
タグを付けてバーコードで読み取る
宝石専門の商品管理の商品も
発売されていて
興味を持ったりしました。
その考えを改めたのは
ついこの間のことです。
帳面を書くようになって数年が経って
今回。
事務所の中で帳面に写していく
その文字だけで
例えば
黒蝶リング15㍉○○○円としてあると
お店にある商品が頭で想像出来る様に
なっていました。
文字を書きながら 頭も連動して
商品が より頭にインプットされていく感じです。
書いていて
これは何だっけ?と思うと
お店に出て商品を確かめて、
時間は掛かっていますが
値段と商品に矛盾が無いかも
確かめていけます。
ピッピッと機械で打って
在庫も自然に消えていったら
今まで誰に何を買ってもらったかを
確認する機会も(意識をしない限り)
無いだろうなぁと思いました。
個性が豊かにある宝石を、
番号を振って〈数字だけ〉で管理するのは
人間の〈マイナンバー〉にも似ているかも・・・。
少し前、NHKのニュースで
【不便 益】という言葉を知りました。
【不便】な方を選ぶことによって
新たな【益】を見つけようとする
発想だそう。
世の中が
便利に効率化していくのに
取り残されている気持ちがあって
少し焦りがあった自分がいましたが
この言葉を知ってから
この昔から変わらない【不便】なやり方を
否定的に思うのを止めました。
前向きに考えると
確かに【益】が多いようにも
思えてきて・・・。
何が良くて
何が悪いか
大きな反省をする余裕を持てないままに
毎日が過ぎていきますが
この決算の時に
この言葉に出会えて、
考え方を新しくできて良かったと
思います。

日本堂インスタグラム