一筆啓上 火の用心

「危なかった。
火事になるところだった。」

「朝一番のお客様を接客していたら、
焦げ臭い匂いがして。」

冬になり、
日差しが低くなり、

玄関先のガラスの器に
陽の光が当たるようになり、

それが
レンズの役割をして
屈折し、

後ろの壁に
焦点が当たって、

壁を燃やす。

名探偵コナンの世界?!

実際に
こんなことが起こるなんて。

でも、無人で気づかずにいれば
火がついて火事になるところ。

不幸中の
幸いでした。

こんなところに
落とし穴があるとは。

先代からの
大切なガラスの器なので、

陽の当たらない奥の部屋に
飾ることにしました。

昔むかし
おばあちゃんが教えてくれた
言葉を思い出しました。

『一筆啓上 火の用心
おせん泣かすな馬肥やせ』

大切な事柄を
短く伝える言葉と習いました。

泥棒は
置いていくものがあるけれど、

火事は
全てを失くすから、と。

これから冬向けて、
気を引き締める出来事でした。